様々な職種の中でも、特に事務職の求人は倍率が高くて人気だとも言われていると思います。
楽なデスクワーク、プライベートを充実させるための土日休み、定時退社、等々。
求人を掛ければすぐに応募が殺到するほど人気な理由も、みんなが事務やりたい!という気持ちも分からなくはないです。
それでも、私には不向きでした。
今回は、事務職として従事していた経験を踏まえて、私が辞めたいと思った理由について述べていきたいと思います。
目次
事務職を辞めたいと思った主な理由
一般的に事務職などのデスクワークといえば、楽だというイメージを持たれることも多いと思います。
確かに、勤務時間中ずっと座って作業ができるので、体力を使う仕事に比べたら楽かもしれません。
室内は空調も完備しているし、仕事を覚えてしまえば自分のペースで作業を進められます。
暇な時間があったらネットサーフィンをしたり、早く仕事が終われば定時で帰ることもできます。
ただ、それでも私には向いていないと思った主な理由が、仕事内容が向いていなかったということです。
そもそもの話なのですが、ずっとPCの前に向かって、1日中じっと作業していることができませんでした。
致命的というか根本的な話になってくるのですが、何時間もPCに向かって作業していても、集中力が続かない。
イライラする、ストレスが溜まる。
目は悪くなるし、肩も凝るし、足もむくんできてしまいます。
出来る人は凄いスピードでタイピングしていますが、私にとって1日中デスクワークなんて、もはや苦痛でしかありませんでした。
自分の将来が見えてしまうことの恐怖
ストレスの溜まる生活
職場の先輩は、毎日仕事でイライラしていて、ストレスのせいで周りに当たったり、やけ食いに走ったり、買い物で散財して後悔したりしていました。
健康面においても、長時間のデスクワークのせいで積み重なった肩凝りや腰痛が酷くなり、マッサージ通いをしているという先輩もいました。
ストレスと不規則な生活習慣が積み重なり、せっかく取れた平日の有給休暇も、お局さんの予定は毎回病院通いで検査の繰り返しだと嘆いていました。
生活のためにお金を稼いでいるのにも関わらず、余計な出費が増えると本末転倒というか、もうなんのために働いているのか分からなくなってきてしまいます。
仕事に疲れてリフレッシュすることは大事ですが、このままずっと変わらないデスクワークを続けていても、同じような日々で疲れが溜まる一方です。
毎日疲れている先輩たちを間近で見てきて、ネガティブな感情しか生まれて来ず、将来、ああなりたくない。そう思ってしまったのが本音です。
なにより、全然、楽しそうではありませんでした。
このまま、この職場に居続けても絶望しかない気さえしました。
代わり映えのしない毎日
職場は独身の女性ばかりだったのですが、周りの先輩たちを見ていると、このままずっと同じ生活を繰り返し続けていくうちに結婚もできずに、時間だけが過ぎていく光景が容易に想像できてしまいます。
そう考えると、恐怖でしかありませんでした。
若い子からはお局と呼ばれるような年齢になり、放っておいてほしいにも関わらず、周りから結婚はまだかと急かすデリカシーのない人も中にはいます。
職場には様々な先輩たちがいたのですが、アラフォーでシングルマザーだけど再婚を諦めていない人もいれば、アラフィフくらいになると、次第に親からも結婚を諦められる歳になり、開き直って独身を貫いている先輩もいました。
同じ職場で働く周りの先輩たちを見ていて、自分の将来が見えてしまうことの恐怖を感じました。
この先の未来、まったく将来が見えないのも不安ですが、周りの先輩たちを見ていて、将来、自分もああなってしまうのかと容易に想像できることほど怖いものはないとも思いました。
でも、この職場にいる限り、待ち受けているのは代わり映えのしない毎日です。
仕事内容に加えて、こうした職場環境も私が事務の仕事を辞めたいと思ってしまう要因のひとつでした。
精神的に病む日々
ストレスの溜まる作業に、息の詰まりそうな職場環境。
そんな職場と自宅を決まって毎日、毎日、往復。
毎朝、通勤ラッシュの満員電車に揺られて出社。
会社の近くの駅に着くと、皆、同じように並んで歩いていて、自分も他の会社員と同じように大勢の中を歩きます。
出社するだけでも既に疲れていて、朝の時点で、もう帰りたい。
それでいて、毎日代わり映えのしない仕事をこなして、夜は遅くまで残業の繰り返し。
長時間労働にすっかり疲れて帰宅して、やっと1日が終わったと思えば、またすぐに朝がやってくる。
そんな、将来の見えない生活、エンドレス。
こういった状況が積み重なり、
あー、辞めたい。
私は、毎日のようにそう思っていました。
むしろ、辞めたいと思わない日はないくらい。
それくらい、病んだ日々を過ごしていました。
妥協した転職活動
転職するにあたって、私は特にやりたいこともなく、働かなければ生活できないというだけで求人に応募していました。
事務職を選んだ理由は、この先も長く働きたいという思いからでしたが、”応募したら、受かったから”という、ただそれだけの理由の方が大きかったです。
内定を貰った時、不安があったのも事実です。
特に私が従事することになった営業事務の場合、データ入力や電話応対といった仕事内容や、臨機応変に対応しなければならないことから、心のどこかでは絶対に自分には向いていないと気付いていたはずなんです。
それでも、転職活動なんて、どこかで妥協しなくてはいけないという思いと、なにより、待ち望んだ就活からの解放。
この時、焦っていたこともあり、なんとか頑張ったらできるかなという気持ちがあったのも事実です。
入社が決まった以上、覚悟を決めて、ずっと長く働くつもりでいました。
でもやっぱり、精神面で長く続けていけるかどうかって重要だと思います。
職場が変わったら、環境も変わる訳で、また別の悩みが生じてくるのも事実です。
退職したいと思ってから会社を辞めるまで
案の定、自分には向いていなかったことを身を持って体感することになりました。
会社なんて行きたくない。
次第にそう思い始めても、せっかく就いた仕事を簡単に辞めることもできずに、毎日毎日、辞めたいと思い続ける日々が続きました。
嫌だと思う自分の感情を押し殺して、何度も何度も、耐えて、我慢して働き続けました。
みんな頑張っているんだ、大変なのは、私だけじゃない!って。
自分に言い聞かせるかのように、毎日、必死で自分を振るい立たせました。
せめて、次のボーナスが出るまで耐えようって。
それでも、精神的に追い詰められ、特にクリスマスの時期なんかは一人で残業して泣きながら帰った日もありました。
それらが積み重なり、やがて自分の中で限界に達してしまいました。
もう精神的に続けられない!と思うようになり、ついに退職を決意しました。
いつか辞めようと心の奥底では考えていましたが、ついに耐えられなくなり、上司に退職したい旨を伝えることになりました。
最後に
私は、実際に事務職に就いてみることによって、改めて自分に事務職は向いていなかったと気付きました。
接客業や外回りの仕事は、体力的に負担が掛かるかもしれませんが、事務などのデスクワークは、なによりも精神的に苦痛でした。
なにかと自分には無理だと感じることが多い事務職でしたが、結果として、社会経験を経て学ぶことは沢山ありましたし、世間一般の常識として勉強になることも多かったと思っています。