仕事に就くにあたって「正社員」という雇用形態もあれば「派遣」という働き方も存在します。
派遣よりも正社員が良いということは、世間でも一般的に言われていることなので、誰もが既に分かっていることだと思います。
今回は、私自身が転職を繰り返すにあたって正社員と派遣社員、どちらも経験したからこそ分かる、それぞれのメリットとデメリットについて書いていこうと思います。
正社員として働くメリット
正社員として働くメリットとしては広く知られていると思うので、かいつまんで挙げていきたいと思います。
- 社会的信用がある
- 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・40歳以上は介護保険)が完備している
- 賞与(ボーナス)が支給される
- 交通費が支給される
- 住宅手当や家族手当等、正社員でしか受け取れない手当が出る
- その他、会社の福利厚生が受けられる
- 長年勤めることによって、キャリアが詰める
- 不当な理由で解雇されないため長く働ける
正社員として入社してしまえば、基本的に定年まで働き口に困ることはありません。
正社員としてのメリットは、何より雇用の安定、収入源の確保、キャリアアップが図れるという部分が大きいと思います。
正社員以外は「非正規」という言葉がある以上、しっかりした会社に正社員として勤めていることは社会的にも信頼されやすいのは事実です。
長く働き続ければ続けるほど、信頼と実績が得られるので、キャリアを積みたいなら確実に正社員だと思います。
個人的に、賞与(ボーナス)の存在は本当に大きいです。
社会人になって初めて、これだけ世間で騒がれている意味がやっと分かりました。
勿論、賞与の額は会社の業績や個人の頑張りにもよりますが、月給+数十万単位のお金が振り込まれるので、その金額で生活が潤うほどの価値はあります。
賞与は基本的に年にニ回支給されるので、同じ会社で長く働けば働くほど、お金も貯まりやすいと思います。

正社員として働くデメリット
一般的に正社員とは言っても、それぞれの会社による部分も多いので、正社員だから安泰、福利厚生が受けられるとは一概に言えない部分もあります。
- 残業や休日出勤が発生する
正社員のデメリットとして、残業や休日出勤が発生する場合があります。
少なからず、周りに合わせないといけないという空気は存在します。
また、有給休暇は労働者の権利ですが、どうしても希望通りに休暇が取りづらい傾向にあると思います。
- 責任を負って無理し過ぎてしまう
正社員は、仕事内容的にも責任が重くなってしまう傾向にあります。
酷くなると過重労働になってしまったり、無理をして体調を崩してしまう恐れもあります。
私は正社員という肩書きでしたが薄給だったので、やっていられるか!!という気持ちの方が大きくなってしまいました。

- 大手の場合は転勤も有り得る
大手企業に勤めている場合、本人の意志とは関係なく、会社の都合で異動や転勤も有り得ます。
組織に属している以上、原則、辞令には従わなければなりません。
- 簡単に辞めることができない
ブラック企業に入ってしまった場合、そう簡単に辞められないというジレンマや、避けられない人間関係の悩みを抱えながら生きていかなければなりません。
毎日ずっと同じ職場で過ごさなければならないのは苦痛でしかありません。

派遣として働くメリット

- 派遣にしかない仕事内容を経験できる
派遣の求人サイト、リクナビ派遣にも実際に募集中の求人が掲載されていますが、派遣としてでしか募集が掛からない求人も多いです。
一例を挙げると、受付、データ入力、テレフォンオペレーター、ツアーコンダクターや添乗員、モニター調査、イベントスタッフ等があります。
派遣だからこそ担当できる業務も中にはあります。
一般的には求人募集していることを公表していない優良企業で働くことも可能です。
仕事内容で選べるのも、派遣として働く強みだと思います。
- 仕事内容が正社員よりも楽
派遣社員としてでしか雇用していない職種の場合、基本的に責任の問われない業務が多いです。
いち社会人として、決して責任を持たなくてもいいと言っている訳ではありませんが、私は、今まで低賃金、重い責任で働いていて悩んでいたのが何だったんだというくらい気持ち的に割り切って働くことができました。
- 比較的、時給が高く設定されている
アルバイトと比べて、派遣の場合は時給が1000円以上~あるので、場合によっては月給制の正社員よりも稼げるケースもあります。
- やりたいことが明確じゃない人にもオススメ
やりたいことが特にない人にも、一度、派遣を経験してみることはお勧めです。
仕事がきっかけで新たな人間関係が生まれたり、業務に携わっているうちに視野が広がって、新たな選択肢が生まれることだってあります。

- 逆に他にやりたいことがある人にも最適
いつでも身軽で働きやすい派遣社員という働き方は、見方によってはメリットだと思います。
必要な時に必要なだけ人材を派遣する制度を、こちらも利用する側の立場で居ればいいと思います。
派遣は、長期の間(何十年など)一生を掛けて働くというよりは、一時的に働いたり、掛け持ちしたりするには最適な働き方だと思います。
派遣として働くデメリット
- 交通費が出ない
基本的に派遣社員は交通費や賞与が支給されません。
- 肩身が狭い
正社員と比べると、派遣社員は周りから格下に見られたり、世間的にどうしてもまだまだ偏見の目はあると思います。
- 派遣会社の人が使えないこともある
担当者によっては、マニュアル通りの回答しかしてくれない人もいるので、残念な営業担当に当たった時は、派遣の働きづらさを感じてしまいます。

- いつ契約が打ち切られるか分からない
派遣は更新制なので、ずっと続けたいと思っていても、企業側の意向で働く場所がなくなることだって有り得ます。
いつ辞めてもいいというくらいのスタンスでいないと厳しい部分もあると思います。

社会保険の加入条件
ご存じかもしれませんが、派遣社員でもフルタイムで働いていれば社会保険に加入することは可能です。
大手の派遣会社に登録していれば、社会保険もしっかり完備しています。
参考までに、社会保険加入の条件を記載しておきます。
1週間の所定労働時間が30時間以上および1ヶ月の所定労働日数が15日以上(雇用元の一般社員の4分の3以上)で2ヶ月を超える契約期間がある場合。
また、1週間の所定労働時間が30時間未満または1ヶ月の所定労働日数が15日未満(雇用元の一般社員の4分の3未満)の場合であっても、以下のすべてに該当する場合、加入いただきます。(短時間労働者区分として加入)
1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
2. 賃金の月額が88,000円以上
3. 1年以上の雇用が見込まれる
4. 厚生年金保険の被保険者数が501人以上の企業(所属会社毎に判断)で就業するパーソルテンプスタッフより出典

正社員と派遣どちらが良いのか
私は交通費や賞与の出ない会社に正社員として勤めていたこともあるので、正社員=必ずしも待遇が良いとは一概には言えない部分もあるとは思います。
派遣でも、社会保険には入れるし、有給休暇も使えるし、働いた分だけ時間給としてしっかり支給されるので、私は派遣だからといって不便だと感じることは少ないと思いました。
派遣社員として働いていても、自分自身でスキルアップしたいという意欲さえあれば、派遣会社で勉強することができる環境は整っています。
私は、ブラック企業とまではいかなくてもグレーゾーンの会社に正社員として勤めていたこともあるのですが、正社員という肩書きに無理にこだわるよりも、自分の心に余裕ができることの方が何よりも大きいと思います。
正社員と派遣社員それぞれメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは人によって違うと思います。
自分に合った働き方を選択するのがベストだと思います。
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