断れずに契約してしまった詐欺から逃れる方法-マルチ商法の勧誘体験談 後編-

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ネットワークビジネスと呼ばれる、数時間にも及ぶマルチ商法の勧誘を受け、私は契約書に署名してしまいました。

騙されたからこそ学んだこと、また、一度結んでしてしまった契約を解消する方法について書いていきたいと思います。

ネットワークビジネスの落とし穴-マルチ商法の勧誘体験談 前編-
私は過去に2回、マルチ商法と呼ばれている勧誘を受けたことがあります。 しかも、一方の会社の勧誘の策略に見事にはまり、結構いくところまでいきました。 それぞれ違う会社の勧誘だったのですが、今後、私と同じように騙されないため...

現状維持を煽るセミナー

契約をした直後、これから近くでセミナーがあるからと言われ、着いて行くことになりました。

セミナーの内容としては、MLM(マルチレベルマーケティング)の話を軸に、経営理論だとか、稼げるビジネスモデルの説明が主体でした。

世の中の大半の人は、サラリーマン人生。このままでいいのか?

要約すると、「世の中の大半じゃなくて、君もこっち側の人間になろうぜ!」といった洗脳の世界でした。

勧誘するための具体的な活動

契約書に署名してしまい、一緒にビジネスをやるという流れになってから、組織としてもダウンと呼ばれていた下の階層をどんどん作っていかなければならないので、ビジネスを進めるための熱心な指導が始まります。

その活動内容の一環として、具体的な例を挙げると、リストアップと呼ばれていたのが自分の携帯のアドレス帳に入っている全員の名前を紙に書き出すという作業です。

まずは、その場で身近な人にアポを取って、会う約束を取り付けます。

そして、会うきっかけをつくったら、相手の将来の夢に対して要望を聞き出します。

そこで、相手が今の現状に満足していない、今の環境がつまらないと感じているなら、チャンスらしいです。

そこで、次に繋げる機会を作り、自分の上にいる人(紹介された人)も交えて説得に入ります。

 

私は一連の流れを聞いて、これまで自分がされてきたことを振り返り、すべて意図があって行われてきたことだと悟りました。

あとから聞いて分かりましたが、鉄は熱いうちに打て。ということわざがあるように、相手の熱が冷めないうちに、色々と手を尽くしてフォローするように指導されています。

他にも、まるで手のうちを明かすように、組織の行なっている手法の背景の説明を受けます。

聞いているうちに、下手したら親しい友達との関係も失くすなと率直に思いました。

なにより、自分がされて良い気分がしなかったのです。

私は幸い身の回りの人達を巻き込むところまでには至りませんでしたが、正直、それを相手に伝えることはできないと思いました。

洗脳するための手法

私も現に、以前、アムウェイを紹介された人とは一切連絡を取っていません。

今思い出しても、餃子パーティーやらケーキバイキングなどと称して、アパートの一室を貸し切って行なっているような集まりに誘われたこともあるし、行ったこともあります。(あるんかいって感じですけど)

つい、ケーキバイキングにつられて行ったら、誰が作ったかも分からないような超手作り感満載のケーキばかりが集められていました。

なんともクオリティの低いものに、がっかりさせられました。

なんだかこういうマルチ商法をやっている人って、私が見てきた限り、勉強してますアピールをしたり、とにかく物事を誇張して話す節があるとは感じました。

悪いことじゃないとは思うのですが、自分でそこまで盛大に言っていると、正直、胡散臭いというか、なんだか違和感を感じてしまいます。

やらないという選択肢はない

話を戻すと、ネットワークビジネスって営業要素の強いビジネスだな、とは思いました。

それでさえ、自分を成長させるチャンスなんだ!と思い込むようになるので、本当に洗脳って怖いです。

 

ネットワークビジネスの話を持ち掛けられた時は、とにかく考える隙を与えさせない雰囲気だったので、上手く断れずに、その場で契約書に署名してしまいました。

その後、不安になって、自宅に帰ってからインターネットで検索しまくりました。

ネット上に溢れている検索結果や、Yahoo!の知恵袋には沢山の事例が出ており、出てくる答えは、決まって、騙されているというものばかりでした。

なにより、結果的に、大事な信頼関係までなくすということに繋がります。

つまらない生活を変えるきっかけが欲しかった

それでも、誘われたらずるずると付き合っていたのは、きっぱり断われないというのもありましたが、やりたいこともなく、フラフラしていたので、自分の中で定まったものがなかったからだと思います。

ブレまくりで、他人の意見に振り回されてばかりいたのかもしれません。

つまらない毎日や、そんな自分を変えるためのきっかけが欲しかったというのも少なからずありました。

 

思い返すと、言われるがままセミナーに参加したり、自分でお店を出しているという人のところまで実際に足を運んで行ってみたり、仕事終わりにわざわざ組織の集まりに参加したり、お決まりのファミレスで集まって指導を受けたり。

とにかく頻繁に誘われるので、組織が主催しているバーでの飲み会や、誕生日パーティーに参加したりと、結構、駆り出されるたび行ってたんですよね。

……本当この行動力、褒めて欲しいくらいだわ。

 

この時点で、既に金額まで支払っていたので、周りも完全にその気になっていました。

後から友人に相談したら、「それ絶対に騙されてるよ!!」と言われました。

私の場合は、誘われた相手が同性でしたが、異性になってくると、もっと厄介なことになりかねないのかな、とも思います。

……本当に詐欺って怖いと思います。

契約してしまった勧誘から逃れる方法

言われるがまま契約書に署名し、こうして支払いも済ませてしまった私ですが、ネットで調べているうちに、その抜け道として、クーリングオフ制度があることを知りました。

クーリングオフとは、消費者が一定の期間内であれば違約金などの請求・説明要求を受けることなく、一方的な意思表示のみで申し込みの撤回や契約の解除ができることを指します。

クーリングオフについては、特定商取引法ガイドにも詳細が載っていますので、是非参考にしていただければと思います。

 

その後、自宅に注文された荷物が段ボールで届きましたが、封も開けずに即座に送り返しました。

後日、無事口座に全額返金されており、その関係者とは一切連絡も取らないようにしました。

最終的に、騙されずに済んで本当に良かったと思います。

マルチ商法に騙されかけて学んだこともある

今なら、確実にいいカモにされて騙されているというのは分かります。

ただ、言っていることは正しいのかなと思う部分はありました。

目標を明確にして、達成のための手段を逆算するだとか、そのための期限を決めるだとか。

時間軸でスケジュールを立てるとか、なりたい自分をイメージするとか。

勉強になる部分はあったので、だからこそ、私は騙されかけました。

 

先生と呼ばれていた、自分より上の階層にいる人に、「このタイミングって、ラッキーだよ!」と背中を押すように言われました。

「一緒に頑張って行こう!」と、なんとも心強い言葉までもいただきました。

それも勧誘するための策略のひとつにしか過ぎないのですが、私は頼る人が周りにいなかったので、目の前の出来事にしか目がいかなかったのかもしれません。

 

確かに、その手法で大金を稼いでいる人も世の中にはいるのかもしれない。

それもひとつの手段であり、選択肢のひとつではあると思いますが、それで生活が安定して食っていけるほどの収入を得ることができる人は、ほんの一握りだということは普通に考えても分かってはいました。

トップから数えて、自分がどれだけ遠い位置にいるのかも。

 

だからこそ、やりたいことがない。

仕事なんて楽しくない、辞めたいと思っている。

そういう弱みに付け込んで、利益を得ようとする輩が世の中にはいます。

 

騙されなければいいだけの話なのですが、自分が困っている時に、目の前に起こった誘惑に飛びつきたくなる心理って尋常じゃないと思います。

本当に、知らないって怖い。と、つくづく思いました。

 

そういったビジネスを全否定するつもりもありませんが、それで多額の金銭を要求されたら、確実にアウトだと思います。

本当に、悪徳商法や業者には騙されないように気を付けて欲しいと思います。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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