働き方改革による「同一労働同一賃金」非正規でも働きやすくなるか

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「働き方改革」が政府で進んでいますが、そのうちのひとつとして、新たに2020年4月1日より施行される「同一労働同一賃金」があります。

働き方改革は、多様な働き方の選択、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるための取り組みのことを指します。

仕事の生産性の向上、効率化、ストレスの減少、時間管理に対する意識の高まり、自律性の向上などの期待が見込まれています。

しかし、まだまだ実現できていない会社も多いと思います。

具体的には、労働時間の見直し、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保などがありますが、現実的に働き方改革として取り入れられているのは一部の企業だけだったりもします。

今回は、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者の非正規雇用者に向けた「同一労働同一賃金」について触れていこうと思います。

同一労働同一賃金とは

「同一労働同一賃金」とは、ざっくり述べると、正社員と非正規社員との間で待遇の差をなくそうという目的で施行された取り組みです。

2020年4月1日より施行され、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保として、正規雇用者と非正規雇用者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。 ※中小企業は2021年4月1日から

現在、非正規社員として働いている人であれば事前に説明を受けていると思いますが、詳しい内容は厚生労働省の資料にも記載されています。

正社員と非正規社員の割合

総務省による労働力調査のデータ 出典:2019年(令和元年)7~9月期 によると、

正社員の数は3492万人と、前年同期に比べ8万人減少しています。

非正規社員の数は2189万人と、71万人増加しています(29期連続の増加)。

非正規社員の割合は全体の38.5%と、7期連続上昇しています。

 

男性は前年同期に比べ31万人増加、女性は14万人増加しています。

男女別に現職の雇用形態に就いた理由は「自分の都合の良い時間に働きたいから」といった意見が最も多いことが見受けられます。

 

ちなみに、失業者は179万人と前年同期に比べると減少していますが、一年以上失業している者は53万人と前年同期に比べて3万人増加しています。

今や終身雇用形態が崩壊し、定年退職するまで誰もが長く同じ職場で安定的に勤め上げるのは、容易なことではないのかもしれません。

具体的に変わること

今回の「同一労働同一賃金」で、具体的に何がどのように大きく何が変わるのかというと、昇給、賞与、役職手当、福利厚生の充実などが挙げられます。

例えば、ガイドラインに基づいて基本給(時給)が上がる可能性があります。

同一労働同一賃金は、非正規社員だからといった理由で「いくら仕事を頑張っても評価されない」、「企業に貢献した実績があるのに全く昇給がない」等といった不当な待遇や差別を受けることをなくすための施策です。

今後は、非正規社員でも、スキルアップ向上や地位の向上ができる可能性が出てきます。

ざっくりですが、正社員との格差がなくなる法律だと捉えて良いと思います。

 

個人的に大きいと思うのは、非正規社員でも交通費が支給されるということです。

一般的に派遣社員は通勤交通費が支給されませんが、通勤交通費だけで毎月一万円近く掛かってくることもあるので、その負担が軽減されると考えると、わりと大きいです。

他にも、女性なら健康診断の産婦人科系のオプションが無料で付けられるようになったり、福利厚生が受けられるようになる恩恵は大きいと思います。

最後に

失業してしまうと日常生活にも支障が出てきてしまいます。

私は正社員にも関わらず、有給休暇が取れない・労働時間が異様に長い・賞与や交通費が支給されないなど、自分ではどうしようもない職場に居たこともありました。

こうした労働環境は、まだまだなくならないのも事実だと思います。

転職活動を行なう際に、正社員として長く安定的に働くことこそが一番良いと思いがちですが、中には、非正規社員としての働き方もあるということを知っておきたいです。

様々な働き方が増えて、柔軟な選択ができる社会になればいいなと思うばかりです。

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